1993年1月30日土曜日

ギリシャ

スニオン岬遺跡とエーゲ海
ロードスのビーナス(紀元前1世紀)
第1回近代オリンピック競技場

  この冬休みはギリシャを旅行した。暖かい所と思っていたが、ちょうどヨーロッパ全体が寒波の時であったため、前半は雪にも見舞われ天気はさんざんであった。しかし、トルコに近いロードス島では天気に恵まれエーゲ海、地中海の青い海を堪能した。

  紀元前の神話信仰に支えられた古代ギリシャ文化を知ると共に、この神話がその後ミケーネ遺跡の発見で事実であることが判明したことなど興味深かった。まだ発見されていない遺跡はたくさんあるようで、発見ごとに歴史が塗り替えられる可能性があるという。日本でも、旧天皇陵を発掘すれば相当な歴史が判明するのではないかと思う。

  紀元後はローマ帝国による支配から、キリスト教中心の文化となるが、その後オスマントルコの支配でギリシャは苦難の歴史を歩む。当時、ギリシャ人はトルコの支配で奴隷同然の扱いだったという。ロードス島にはイスラム教の寺院もたくさん見られた。

  19世紀にようやく独立戦争によりトルコから独立するが、そのさなかギリシャ独立軍がトルコ軍にダメージを与えると、すぐトルコはトルコに近い島の住民を虐殺したというように、人間のやることは昔も今も変わっていない。

  歴史を習っても生かされない、難しい問題である。私の持論ですが、論語読みの論語知らずになるよりも、むしろ論語読まなくても論語を知っている人が世の中をリードすることが待ち望まれる。

  ローマ帝国が東西に分裂して東に残ったのがギリシャ正教、カトリックと比べて教会は質素で、またキリスト像もない。未だに土葬とのことでアテネでは墓不足とのこと。ロードス島でマツダの三輪トラックが未だ走っているのを見て、ECの経済統合の中でギリシャは今後も経済的にはきびしい状況が続くと感じた。