デュッセルドルフのとなりにノイスという町がある。この小さな町の美術館に浮世絵が250点も保存されている。その内の約100点の調査が完了し、いま一般公開されている。ヨーロッパ各地にノイスと同じように意外な所に浮世絵が保管されている。ゴッホ、ゴーギャンなどの時代にただ同然で持ち込まれたものという。ノイスの浮世絵もただ同然に手にいれた人がこの美術館に寄贈したものである。
絵の描き方自体は西洋のやり方とは全く異なっているが、浮世絵のすばらしいところ、即ち斬新な構図と色彩に感心を示し、印象派以後の西洋の画家が取り入れたのは良く知られている。パターン化された人物の描き方は決して西洋の画風に受け入れられるものではないが、良いところをあくまで褒めたたえるという姿勢はやはり西洋人の伝統であるように思う。(/p>
一方日本は鎖国、これがむしろ幸いしその道を極めた人がたどり着いた結果が浮世絵。情報が入ればその周辺から抜け出せないのが常で、むしろ情報が入らない方が独創的・創造的なことが出来るという一面を示している。創造には異質なものを受け入れる度量と、また独自の世界に徹底的に埋没するという両面があるような気がする。
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